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たかきろぐ

「自動運転」「情報系大学」「雑記」をだらだらと書いています

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自動運転と地図3(続ダイナミックマップ:SIP)

今回は自動運転に利用が期待される「ダイナミックマップ」という技術の整備をしているSIPに関して簡単に説明する.

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 前回では高精度地図に関して説明し,前々回はダイナミックマップに関する概要を説明した.

前々回)

kyu-kyoku.hatenablog.com

前回)

kyu-kyoku.hatenablog.com

今回は国内におけるダイナミックマップに対する取り組みを行っているSIPの活動に関して少し説明していく.

 

 

SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)・自動走行システム

まず,何度も話に登っているSIPに関して説明する.今まで「内閣府主導のプログラム」程度にしか触れていなかったように思う.これが何者なのか.

本家SIPのトップページから引用してきた説明が以下

 

総合科学技術・イノベーション会議が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設するプログラムです。 

(戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー) - 科学技術政策 - 内閣)

「ページを見ていくと,今後成長しそうな産業や日本に必要となる分野の技術を内閣府主導で早出するプログラムです」ってことだ.

ちなみにプログラムは「課題」に区切られて,課題は11個ある

  • 革新的燃焼技術
  • 次世代パワーエレクトロニクス
  • 革新的構造材料
  • エネルギーキャリア
  • 次世代海洋資源調査技術
  • 自動走行システム
  • インフラ維持・管理・マネジメント技術
  • レジリエントな防災・減災機能の強化
  • 次世代農林水産業想像技術
  • 革新的設計生産技術
  • 重要インフラにおけるサイバーセキュリティの確保

それぞれの課題ごとに推進委員会・ワーキンググループが設置されて,管理する法人が付いている.JSTや各省庁が多い.中でも自動走行システムは関わっている省庁が多い.

webに落ちていた情報をさらっと確認すると,自動走行システムという課題の中で,ダイナミックマップを取り扱われている.

SIP(戦略的イノベーション創造プログラム) 自動走行システム 研究開発計画

(ダイナミックマップで検索するとヒットするよ)

計画書の中では研究対象が細分化されていて以下のようなテーマがある

[Ⅰ] 自動走行システムの開発・実証
① 地図情報高度化(ダイナミックマップ)の開発
② ITS による先読み情報の生成技術の開発と実証実験
③ センシング能力の向上技術開発と実証実験
④ ドライバーと自動走行システムのHMI技術の開発
⑤ システムセキュリティの強化技術の開発
⑥ 自動走行システムの早期実現化に向けた事業化研究と実証実験
[Ⅱ] 交通事故死者低減・渋滞低減のための基盤技術の整備
① 交通事故死者低減効果見積もり手法と国家共有データベースの構築
② ミクロ・マクロデータ解析とシミュレーション技術の開発
③ 地域交通 CO2 排出量の可視化
[Ⅲ] 国際連携の構築
① 国際的に開かれた研究開発環境の整備と国際標準化の推進
② 自動走行システムの社会受容性の醸成
③ 国際パッケージ輸出体制の構築
[Ⅳ] 次世代都市交通への展開
① 地域交通マネジメントの高度化
② 次世代交通システムの開発
アクセシビリティ(交通制約者対策)の改善と普及

計画書を読んでみると面白い.国の自動運転実用化のスケジューリングもあったりするので興味があるならさらっと見てみることをお勧めする.

...それを分かりやすく書くのがワエの仕事って?ですよね.

 

スケジュールにおいてざっくりと,重要所では

  • 2020年代前半に準自動走行システム実用化
  • 2020年代後半に完全自動走行システム実用化

ってところじゃないでしょうか?

準自動走行システムは緊急時にドライバーが運転するイメージで良いと思います

ただし,大きなポイントとなるのが「どこで」自動走行システムが可能になるか,である.流し読みすると,これの言及がない.日本中のどこでも自動運転可能になるってわけじゃないと思います.地図の整備が追いつかなかったり,そもそも自動走行車両が走れないケースというのも現れてしまうかもしれない.

 

加えて,ちょっと思ったのがこの開発スピード...遅くないgoogleとかバイドゥは単独で自動運転開発しているけど,もっと早いスピードで完全自動走行システム出してくると思うんだよなぁ.あとテスラはワエの認識ではレベル2相当の自動走行システムを市販しているし.

 

中でやっている研究の成果ってどんなもんじゃい?

A.わからないです.笑

なぜか.下記のページから議事要旨を確認しようとすると,中身がほぼ全て【非公開】になっているから.

自動走行システム推進委員会・WG - 科学技術政策 - 内閣府

研究計画書に記載してある議題に関して月1~2回の会議が行われているのだけど,これがブラックボックスになっている.まぁ,敏感な話題なので外には出せないんでしょうね.出せる情報と出せない情報の選定作業だけでもかなりの時間かかっちゃうだろうし.

 

ダイナミックマップ試作 ~三菱電気コンソーシアム~

ただし,ダイナミックマップを試作しようとしていることだけはわかる.

自動走行システムの実現に向けた「ダイナミックマップ」構築の 試作・評価に係る調査検討を内閣府より受託

SIPからダイナミックマップ試作の公募が出て,それを三菱電気が音頭をとって受託した,というパブリケーションが上記になるよ.

去年アイサンテクノロジーの株価が爆上げしたのは,このコンソーシアムに名前が連なっていたので期待感がたかまったせいだね.

 

コンソーシアムの業務内容

下図は三菱電気のパブリケーションからでている図.公募の事業範囲が記されている.

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青枠で囲ってあるところが受託範囲.高精度な道路地図と,少しの動的情報(図中では渋滞情報など)がプラットフォームとして共通化されている.素晴らしい!!

 

ただし,この図でまずいと思うのは,それより右側の部分だ.A社自動走行車両とB者自動走行車両を見ていただきたい.それぞれが利用しているセンターが別々である.

どういうことかというと,一例としては,A社の車はA社の車の位置のみ知ることができて,B社の車はB社の車の位置のみ知ることができる,ということになる.

ダイナミックマップは本来的に,動的な情報をやり取りするプラットフォームだ.カーメーカーごとに独立してもつと意味が薄れてしまう.

 

とはいうものの

まずはベースとなる高精度道路地図の規格統一が最優先課題なのだ.デジタルな道路ネットワークの種類が何個もあると,車両間でデータをやりとりなんてできっこない.

SIPのアプローチは正しく,重要な部分を国策として進めていると思う.今後もこのSIPの活動に関連して調べていく.